矢野経済研究所が2013年10月に「国内スマートフォン・コマース市場規模予測」を発表しました。

参照元：http://www.yano.co.jp/press/pdf/1167.pdf

 

それによると、2013年見込みは1.35兆円ですが、2015年予想は2.67兆円とされています。つまり、2013年から2015年の2年間で2倍近い成長が見込まれているわけです。

 

2014年現在、スマートフォン・コマース市場はまさに今、伸び続けています。

 

今後、デバイスとしてのスマートフォンの存在感は大きくなっていくばかりで、縮小傾向になるということはまず考えられないでしょう。

 

また、127国、7000以上のデベロッパーを対象とした世界最大級の調査である「Developer Economics Q1 2014」がVision Mobileから報告されました。

 

参照元：http://www.developereconomics.com/reports/q1-2014/

 

なんと、今最も大きな伸びを見せているのがアプリからの「e-commerce sales」（ECの売上）だと言うのです。

 

調査によると、月間平均収益が2750ドル（約28万円）であり他の課金形態（アプリ内広告等）を圧倒しています。

それに呼応するかのように、EC対応のアプリが増えてきています。半年で5％から8％へ増加しているのです。

 

様々なアプリを利用することができる点がスマートフォンの大きな特徴であり、このアプリの存在がスマートフォン人気を支えているとも言えます。

 

「Developer Economics Q1 2014」は世界的な調査ですが、先の矢野研究所が発表した日本でのスマートフォン・コマース市場予測と合わせて考えれば、日本にも（顕在化している、していないに関わらず）同様の傾向にあることは想像に難くありません。

 

また、アプリ上でのEC展開だけでなく、スマートフォンではリアル店舗との融合を図る動きも続々と見られます。クーポン配信やGPSを使ったスタンプなどが一例です。そういった取り組みはO2O（Online to Offline）と呼ばれています。

 

PCからスマートフォンへシフトしていく傾向は、各調査によって明らかとなっています。

 

筆者の知人はPCをもう数カ月開いていません。その理由として、「iPhoneがこれまでのPC代わりになる」ということをあげていました。

 

ECサイト運営者の方も定量的なデータからだけでなく、周囲の状況などの定性的な観点からも「スマートフォンは無視できない」と肌で感じているのではないでしょうか。

 

矢野経済研究所の「国内スマートフォン・コマース市場規模予測」では、「スマートフォン・コマース利用経験について」という項目において「スマートフォン経由におけるEC利用経験については、性別･年代別で大きく傾向が分かれている」としています。

 

これはECサイト運営者の方にとって、とても興味深いデータなのではないでしょうか。

 

自社ECサイトのターゲットによってはスマートフォン対応を急ぐべきですし、その逆も言えるのです。

 

また、既にスマートフォン対応をしているECサイトにあっては成果につながっていないといった声や運用についての悩みが聞かれます。

 

ECサイト運営にあって、適切なスマートフォン対応は喫緊の課題と言えるのです。

 

次回の記事では、ECサイトのスマートフォン対応について考えていきたいと思います。